お知らせ
2024/06/05
オークションレポート(2024年 5月16日開催分)/ 次回出品募集のお知らせ
マレットジャパンでは、5月16日に今年2回目となる近現代アートオークションを開催いたしました。M-Live (オンラインライブ参加専用)、Sale#240516(会場入札有り)2セールの落札総額は1億5千万円を超え、全体としてエスティメート下値総額の約1.4倍を記録する好結果となりました。本レポートでは、特に注目を集めたロットをご紹介いたします。
落札額 TOP3
今回2セール中で落札額のトップを飾ったのは、カタログの表紙でご覧いただいていたソニア・ドローネーによるキャンバス・油彩作品です。スペイン滞在中に身近な風景からインスピレーションを受け制作された本作は、大戦中の作品でありながら鮮やかな発色の色面をたたえ、またフラメンコの踊りを主題としたリズミカルな曲線の配置が見事な作品です。
ユニーク作品かつここまでの優品が出品されることは大変珍しく、フランス含むヨーロッパからのビッドが強く入り、評価額下値の約3.3倍、2,000万円での落札となりました。M-Liveに出品されていた同作家のリトグラフも下値10万円のところ3倍の値まで上がるなど、伸びを見せました。
Lot 081 ソニア・ドローネー
「フラメンコ・ダンサーのためのエチュード」
キャンバス・油彩 1915年
25.8×20.5cm
© Pracusa 20240326
アメリカンプリント 注目結果
オークション直前の5月初旬、抽象美術の巨匠フランク・ステラの訃報が届きました。ステラは戦後アメリカ美術の革新の旗手であり、その探求の軌跡において常に美術界に議論を促してきました。海外大手アート情報サイトの作家検索ランキングでは、当社5月オークション出品作家に対してはステラが1万回以上と最多の検索数を記録しています(1)。
Sale#240516にはステラのプリントが3枚出品され、中でもLot 003、「Jasper's Dilemma」シリーズの1枚に入札が集中しました。本シリーズにおける凝縮された正方形のイメージは、アメリカの伝統的なキルトやテキスタイルの模様から着想を得ており、中心で交わらない対角線がデザインに不安定さと新鮮さをもたらしています。本シリーズにおいてステラは歴史、同時代の作家の作品、音楽など多くの事柄を参照しており、ミニマルな画面の中に作家の深い考察がうかがえる作品となっています。Lot 003は多数の入札を受け、下値の2.3倍での落札となりました。
ヨーロッパ作品 注目結果
近年、安定した落札結果を記録しているヨーロッパ版画に関しては、円相場のさらなる追い風を受ける形で海外からの参加者を増やしています。今回シャガール、ミロ、ピカソらによる作品は計26ロット出品され、落札率は100%を誇っています。
会場で大きな盛り上がりを見せたのはアルフォンス・ミュシャによる「ブルーズ・アダンクール香水商会」のリトグラフです。優美な女性の姿と香りを象徴する花の装飾が魅力的な本作は、ミュシャの作品の中で最も珍しい作品(2)であり、その希少性から国内外の入札を集めました。ハンマープライスは予想落札価格の6.4倍、160万円まで跳ね上がりました。
Lot 082 アルフォンス・ミュシャ
「ブルーズ・アダンクール香水商会」
リトグラフ 1899年
シート:59.5×24.4cm
国内作家 注目結果
今回は奈良美智、野見山暁治、千住博といった国内作家によるユニーク作品の良品が多数出品されました。評価額下値の4倍に迫る結果となった作品もあり(Lot 038)、盛況となりました。元永定正による「あかとんがりはじゅういち」は、作家のフォルムへの強い関心がうかがえる1作で、作家の作品にしばしば登場する擬人化された形態が11本の脚をのばす、遊び心と抽象表現が見事にマッチした作品です。こちらは評価額下値の約2.4倍での落札となりました。
当社の公式YouTubeや各種SNSでは、こちらでご紹介した作品を含むオークション落札ハイライト動画をお届けしています。ぜひ臨場感あふれるハンマーの瞬間を映像でご覧ください。
次回開催予定
次回セールは7月中旬の開催を予定しております。夏のオークションを彩る作品のご出品をスタッフ一同お待ち申し上げます。
無料査定依頼は下記査定フォーム、メール、LINEにてお受けいたします。売却をお考えの作品がございましたら、ぜひエントリーをご検討ください。
― 次回開催(予定):2024年7月中旬 2セール同日開催
― 出品締切:6月10日(会場型オークション)/ 6月19日(M-Live)
― 無料作品査定:査定・売却申込フォーム、LINEまたはメールにて受付中
(1) Artnet 2024年4月19日~5月16日のMallet Auction開催セールに対して
(2) Rennert & Weill P.260
落札額 TOP3
今回2セール中で落札額のトップを飾ったのは、カタログの表紙でご覧いただいていたソニア・ドローネーによるキャンバス・油彩作品です。スペイン滞在中に身近な風景からインスピレーションを受け制作された本作は、大戦中の作品でありながら鮮やかな発色の色面をたたえ、またフラメンコの踊りを主題としたリズミカルな曲線の配置が見事な作品です。
ユニーク作品かつここまでの優品が出品されることは大変珍しく、フランス含むヨーロッパからのビッドが強く入り、評価額下値の約3.3倍、2,000万円での落札となりました。M-Liveに出品されていた同作家のリトグラフも下値10万円のところ3倍の値まで上がるなど、伸びを見せました。
「フラメンコ・ダンサーのためのエチュード」
キャンバス・油彩 1915年
25.8×20.5cm
© Pracusa 20240326
アメリカンプリント 注目結果
オークション直前の5月初旬、抽象美術の巨匠フランク・ステラの訃報が届きました。ステラは戦後アメリカ美術の革新の旗手であり、その探求の軌跡において常に美術界に議論を促してきました。海外大手アート情報サイトの作家検索ランキングでは、当社5月オークション出品作家に対してはステラが1万回以上と最多の検索数を記録しています(1)。
Sale#240516にはステラのプリントが3枚出品され、中でもLot 003、「Jasper's Dilemma」シリーズの1枚に入札が集中しました。本シリーズにおける凝縮された正方形のイメージは、アメリカの伝統的なキルトやテキスタイルの模様から着想を得ており、中心で交わらない対角線がデザインに不安定さと新鮮さをもたらしています。本シリーズにおいてステラは歴史、同時代の作家の作品、音楽など多くの事柄を参照しており、ミニマルな画面の中に作家の深い考察がうかがえる作品となっています。Lot 003は多数の入札を受け、下値の2.3倍での落札となりました。
ヨーロッパ作品 注目結果
近年、安定した落札結果を記録しているヨーロッパ版画に関しては、円相場のさらなる追い風を受ける形で海外からの参加者を増やしています。今回シャガール、ミロ、ピカソらによる作品は計26ロット出品され、落札率は100%を誇っています。
会場で大きな盛り上がりを見せたのはアルフォンス・ミュシャによる「ブルーズ・アダンクール香水商会」のリトグラフです。優美な女性の姿と香りを象徴する花の装飾が魅力的な本作は、ミュシャの作品の中で最も珍しい作品(2)であり、その希少性から国内外の入札を集めました。ハンマープライスは予想落札価格の6.4倍、160万円まで跳ね上がりました。
「ブルーズ・アダンクール香水商会」
リトグラフ 1899年
シート:59.5×24.4cm
国内作家 注目結果
今回は奈良美智、野見山暁治、千住博といった国内作家によるユニーク作品の良品が多数出品されました。評価額下値の4倍に迫る結果となった作品もあり(Lot 038)、盛況となりました。元永定正による「あかとんがりはじゅういち」は、作家のフォルムへの強い関心がうかがえる1作で、作家の作品にしばしば登場する擬人化された形態が11本の脚をのばす、遊び心と抽象表現が見事にマッチした作品です。こちらは評価額下値の約2.4倍での落札となりました。
当社の公式YouTubeや各種SNSでは、こちらでご紹介した作品を含むオークション落札ハイライト動画をお届けしています。ぜひ臨場感あふれるハンマーの瞬間を映像でご覧ください。
次回開催予定
次回セールは7月中旬の開催を予定しております。夏のオークションを彩る作品のご出品をスタッフ一同お待ち申し上げます。
無料査定依頼は下記査定フォーム、メール、LINEにてお受けいたします。売却をお考えの作品がございましたら、ぜひエントリーをご検討ください。
― 次回開催(予定):2024年7月中旬 2セール同日開催
― 出品締切:6月10日(会場型オークション)/ 6月19日(M-Live)
― 無料作品査定:査定・売却申込フォーム、LINEまたはメールにて受付中
(1) Artnet 2024年4月19日~5月16日のMallet Auction開催セールに対して
(2) Rennert & Weill P.260